【スポンサーリンク】

AI時代に生き残るための仕事のやり方

前回の続きです。

 

前回も書いたように、仕事にはデジタル化以前から完全AI化まで6つのフェーズがあり、そのフェーズは仕事の内容ごとに異なるし、また、AI化しやすい分野とそうでない分野もあります。

 

例えば、将棋一つとっても、序盤・中盤・終盤と、思考の質が異なります。

終盤は詰み手を探す、もしくはそこに持っていくという思考ですが、これはありうるパターンが少ないので、簡単なコーディングで自動化することができます。

逆に序盤は、指す手がほぼ無限にあり、人間が全てを網羅してコード化することができないため、関数を作ったりパターン認識をさせたりして対応します。このパターン認識が複雑であればあるほどAIが人間に追いつくのは遅れますし、開発にも時間・費用がかかることになります。

 

複雑な思考であればあるほど、AIで再現するための開発にお金がかかります。そうすると、資金のことを考える必要性が生じます。

 

資金は、マネタイズが容易で(市場がある)、比較的リスクの少ないところに集まりやすい性質があります。

逆に、資金が流入しないのであれば、たとえニーズがあってもシステム開発はされず、人間が処理せざるを得ないということになります。

 

今後生き残っていく仕事というのは、「複雑でAIが代替しづらいか」だけでなく、資金が入りやすい市場かどうかも影響してくるということです。

 

例えば、今アメリカでは大手法律事務所とIBMが組んで、法律相談に答えるAIを開発しています。

参考:アメリカ法曹事情: 人工知能が弁護士として事務所に就職する日


おそらく、単純に条文や判例を探すようなAIは、そう遠くない将来に実用化すると思います。

 

しかし、例えば交通事故の被害者の年齢、事故状況、手持ち証拠などを入力したら即座に事例を調査して結論を予測するというAIを作るのは難しいと思います。

その場合、まず、事例を要素分解し、関連法規、判例を調べ、仮に似た判例が20個出てきたとしたら、どう主張を組み立て、それぞれの主張に対しどのような反論が予想され、証拠調べがどう進み、最終的に裁判官がどう判断するか、という思考が必要になりますし、それぞれの思考も細かく分解していくとさらに複雑になってきます。

このような場合は、さらに処理を分解して、データを整えて、適切なパターン認識がされるかチェックして、最終的に全ての過程をまとめたときにまともな判断がなされるかチェックしなければなりません。

 

そうすると、開発にお金がかかるということになります。

だとすると、儲かる分野から優先して開発し、儲からない分野は放置、ということになってくると思います。

これが、各業種の中で段階的に起こってくるものと予想されます。

 


食べていくためにはどうすれば良いか。

 

3つのパターンがあると考えられます。

(1)まず、AIを使ったシステムを開発するなり、特許を取るなりすれば、そこから上がってくる利益を独占できることになります。

(2)次に、その出来上がったシステムを、ライセンスを払いながら使いこなして仕事をしていくという働き方も考えられます。

(3)最後に、様々な理由からシステム化が遅れるであろうニッチな分野に特化することにより生き残っていくということが考えられます。


(1)の方法でいく場合は、自分でシステム開発するなり、資金を集めてベンチャーを興すなりしていくということになるでしょう。
リスクが大きいですが、当たればデカイという感じですね。

(2)の場合は、AIを使いこなすのに特化した勉強をする必要があります。
チェスの元世界王者のガリル・カスパロフ氏は、人間がコンピューターソフトを駆使しながら勝負をするという「アドバンストチェス」という競技を提唱していますが、まさにそのようなイメージです。
弁護士なら、尋問をする際にコンピュータを横に置いて、そのサジェスチョンを瞬時に取捨選択しながら勝負をしていくという感じですね。
このような能力は、従来の教育とは違った視点で磨いていかないといけないので、今後、従来型の教育からいかに脱却するかがテーマとなってくると思います。

(3)の場合は、今までとさほど変わらないスキルが必要ということになります。
要するに、残っていく市場を見抜く力と、そこで生き残るマーケティング力が要求されるということになるのではないかと思います。

 

こういうのを面白いと思えるかどうかでこの先変わってくると思います。

 

参考 

www.dhbr.net

 

4つの領域ではそれぞれ、戦略、人材、働き方へのアプローチが異なる。

●従来型
●従来型だが高度化
●進化型
●ウーバー的進化型

 

USCのジョン・ブードロー教授の見解です。

一つ一つの仕事の内容ではなく、ビジネスモデルという観点から見た分析です。