【スポンサーリンク】

Valuは今後どうなるのか

論点の整理

valu.is

最近、Valuというサービスが巷をにぎわせています。

www.itmedia.co.jp

 

新しいサービスで法律的な整理も難しいところですが、現状の問題点を整理してみようと思います。

 

 

純資産と時価総額

Valuが一番近いと考えられるのが株式などの有価証券ですが、決定的に違うのが、キャッシュフロー(配当)や価値の裏付けがなく、値段を決めるための物差しがない点です。

 

およそ金融商品と名の付くものには、色々な価値の尺度があります。
例えば、株式会社の株であれば、純資産と時価総額という尺度があります。
純資産とは、清算価値とも呼ばれ、要するにその会社の資産を売り払ったと仮定したときの合計額です。
これを発行済株式総数で割ったのが1株純資産です。

 

トヨタを例にとって説明すると、トヨタの2017年3月時点における1株純資産は約5887円です。
それに対して1株の時価が現在6235円なので、清算価値よりも若干高い値段で売られています。
今後会社が利益を出して高い配当を生み、純資産も増えていくであろうという期待含みで取引されているんだなぁ、とそのような判断ができます。
これが「PBR(株価純資産倍率)」という株価指標の意味です。

www.nikkei.com

 

個人が発行するValu(VA)には、時価総額はありますが、純資産に該当する概念がありません。
VAを買っても何らかのサービスを受けられるわけでもないので債権でもないですし、出資でもありません。

 

じゃあ、VAは無価値なのか、というと、そう単純な話でもないのです。

 

ものの「価値」

経済学や法律学で言う「価値」には、交換価値と使用価値の二つがあります。

例えば、水を飲みたい人が水を買って飲む、という場合の水の値段は「使用価値」を表していることになります。

他方、将来値上がりしたら転売しようと思って金を買う場合の金の値段は「交換価値」を表していることになります。

VAの売買は、純粋に「交換価値」だけを対象にする取引であるということができます。そういう意味では無価値ではないように考えられます。

 

Valuの売り出しに対する払い込みは「贈与」か

VAが無価値でなければ、贈与ではないことになります。

考えてみれば、ダイヤモンドだって、価値が分からない人にとっては石ころと同じです。

ダイヤモンドが、「欲しい人がいる」ことによって価値が付くのと同じように、VAも「VAの交換価値」に対価性を見出すことができれば贈与ではないと考えることもできます。

 

運営側は、あえてVAに対価性を持たせず、出資でも債権売買でもないサービスにしたいようです。

よって、優待も対価性のあるものではないと説明しています。

でも、Valuを買う人は何かに価値を見出して買っているのであって、決して贈与をしようとしているのではないのかなと思います。

 

税務上の扱いはどうなるのか

仮想通貨については、決済時の収益が譲渡所得(雑所得)になるという解釈に落ち着きました。

virtualmoney.jp

 

Valuが何を取引しているのか明らかではありませんが、同じように考えるのでしょう。

仮にそうだとすると、VAの払い込みが贈与であるという考え方と矛盾してしまいます。

また、VA発行者の納税はどうなるのかという問題もあります。

この辺はけっこうカオスな気がします。

 

Valuは違法なのか

VAの売り出しや売り買い自体に特に違法性はないのではないかと思います。

金融商品取引法の有価証券の定義にもあてはまらないので、同法が適用される可能性も今のところないのかなと思います(今後政令で指定された場合は別ですが)。

wedge.ismedia.jp

 

あとは刑法上の賭博にあたらないか、という点が問題になるのかなと。
ただ、賭博に関する罪は条文もあいまいですし、運用が非常に難しいです。

news.yahoo.co.jp

 

個人的には、金商法の規制を適用して、開示義務や不公正取引の防止を図っていくのが一番ぴったりくる気がします。

ただ、そういう規制をしてしまうとベンチャービジネスにとっては非常に重い足かせをはめてしまうことになるのが悩ましいところです。

 

Valuは今後どうなるのか

一つのシナリオとしてて、金商法の適用対象になるというオチが考えられます。

そうなったとしても参加者が直接損を被るわけではなく、むしろ監督官庁が付くことにより安心して取引ができるようになるのかなと思います。

 

いきなり賭博罪で摘発される、というシナリオは、なかなか考え難いですが、摘発をちらつかせて自主閉鎖を促すというのは十分ありそうです。その場合でもビットコインの払い戻しはされるとは思いますが。

 

最悪なのが、預かり資金が飛んでしまう場合です。仮想通貨は管理が難しいですし、今のところ、Valuは仮想通貨交換業者ではないという考えらしいので、内部統制がしっかりしていないと預かり資産が消失してしまうという危険があります。一般ユーザーが一番気にしておくべき点はここかなと思います。

 

以上、法律上問題になりそうなところをまとめてみました。

今後どうなるかの予想は結構難しいですが、ユーザーにとっても世の中にとっても良い形で落ち着いてくれると良いのではないかと思います。