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快適さ優先の「脳にまかせる」記憶法

1 とりあえず頭になじませると必要なものだけ残る理論
世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法

世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法

 

 

こと大学受験や資格試験っていう枠で考えると、実は、記憶法ってそこまで必要なくて、単純に、「いかに脳に情報をなじませるか」っていうコツを身につけておく方が情報価値の高い知識体系が身についていきます。

 

前にホリエモンが、「忘れるのは、重要じゃないと脳が無意識レベルで解釈した結果だ」という趣旨のことを言っていて、ああ確かにその通りだなと。脳っていうのは一種の情報フィルターみたいなもので、脳が重要性を感じない知識をムリクリ頭に入れておくっていうのは、実は実践的な学習法とはほど遠いものになってしまうのでは、と思うのです。

 

上記の「脳にまかせる勉強法」っていう本は、いわゆる記憶術の本ですが、頭の中に情報を入れれば脳が無意識レベルで働いて解釈をしてくれるという趣旨のことを説明しています。

 

2 記憶の段階論(セレゴ・メソッド)

「出口汪の「最強!」の記憶術」によると、「セレゴ・メソッド」は記憶の段階を次の四つに分類しています (P140)。

 

a) ファミリア(familiar)=見たことがある、既視感がある
b) リコグニション(recognition)=区別できる
c) リコール(recall)=自発的に思い出せる
d) オートマティック(automatic)=無意識レベルに落とし込まれている

 

ファミリアというのは、何となく見たことがあるな、というレベルの状態です。そこから、複数のインプットした情報が区別できるレベルになると、選択式の問題や、マルバツ式の問題なら正解できるようになってきます。これがリコグニションです。

リコールは、自発的に思い出せる状態なので、例えばディベートなどで覚えたことを人に説明できる、論述式試験などで積極的にアウトプットできる、という状態です。

オートマティックは、楽器の演奏とか、英語の発音とか、いちいち思い出そうとしなくても体が勝手に動くレベルまで身についている状態です。

 

このセレゴ・メソッドの分類に当てはめて説明するなら、とりあえずファミリア〜リコールのレベルの状態まで、知識を大量にインプットして、まずは脳に任せる(寝かせる)というプロセスを踏むのです。

そうすると、学習スピードが早くなります。

 

3 考えすぎると成長スピードが遅くなる

楽器や語学などの習い事で挫折してしまうのは、いきなり習った知識の全てをオートマティックの状態まで持って行こうとしたり、学習の初期段階なのに妙に理屈っぽく理解優先の勉強をしようとしてしまうことが原因になることが多いです。

 

どうせ初心者の段階で触れる知識や技能なんていうのは、議論の余地もない正しい知識ばかりなのですから、まずは何も考えずに頭になじませて、脳に処理させながら全体の知識を脳になじませていくのが手っ取り早いのです。

 

4 ざっくりと(広く浅く)情報をなじませるためのコツ

(1)基本的な情報だけに絞る

よく考えないと分からない、複雑な情報はあと回しです。語学でも資格試験でも、初心者向けの重要かつ基本的な情報に絞った薄い本があると思いますので、まずはそれをつぶしていくことです。

 

(2)馴染みやすいように脳内変換する

例えば、経済学の有効求人倍率は、学術的な定義によるとこのように書かれています。

 

有効求職者数に対する有効求人数の比率のこと。有効求人 (求職) とは,新規求人 (求職) と,前月から繰り越された求人 (求職) とを合計したものをいう。

 

これを前提に、証券一種の問題集などではこのような出題がされます。

 

「有効求人倍率が1以上だと、仕事を探している人にとっては不利である」 

答え)「誤り」

 

難しい知識を難しいまま覚えようとすると、脳は受け付けてくれません。

 

有効求人倍率というのは、要するに「ハローワークに行った人一人に対して、有効求人がいくつ出ているのか」という倍率です。1人について2つの求人が出ていれば、有効求人倍率は2です。このような場合、仕事を探す側にとっては有利ですよね。だから上記の問題は誤りということになります。

 

とりあえずこのくらいざっくり覚えておけば実用上は十分です。難しく説明する必要があるときは改めて難しい言い回しに変換してアウトプットしてやればいいだけの話なのです。

 

(3)脳に定着しやすい状態をキープする

 

セレゴ・メソッドでいうところのファミリアとレコグニションというレベルで知識を落としこむためには、緊張感の少ない、リラックスした心理状態で行うと効率良く頭の深いところに落とし込めます。

 

逆に、リコールの訓練や問題演習をする場合には、軽い緊張状態の方がテキパキと処理が進められます。

 

この違いを明確に分けるのが、情報を脳に定着させるコツです。

 

なかなか覚えられない人は、常に緊張状態で問題演習や反復作業をしているので、いくらやっても上滑りしてしまうのです。

 

オートマティックのレベルに持っていくための訓練は、上記のミックスとなります。楽器の演奏でいうと、何十分も同じフレーズを反復するような浅い脳波で練習したり、思いっきり緊張感を高めて、本番さながらの状態でシミュレーションをしたりと。そうやって緊張と弛緩を繰り返しながら、情報を自分のマインドに定着させていくのです。

 

5 まとめ

まとめると以下の通りとなります。

  • 最初は全く知らない情報をファミリアにすることに徹する
  • 余計な理屈は考えず、解釈は脳に任せる
  • その学問分野の知識が一定以上になると、相互に関連してくる
  • そうなってきたら知識のレベルを段階的に上げていく
  • 訓練時には、各学習段階でメリハリをつける

 

なお、脳に知識を定着させやすい「リラックスした状態」というのは、最近流行りのマインドフルネスの状態の時と非常によく似ています。

 

マインドフルネスの状態というのは、

  • 心がどこにも引っかかっていない状態
  • 寝ている状態と起きている状態のギリギリの境界
  • 悩みやストレスから解放された状態

 というように説明がされます。

 

「今、ここ」に意識を集中する練習

「今、ここ」に意識を集中する練習

 

 

あまり深く考えずに大量の情報をファミリアの状態に持っていくためには、このマインドフルネスの状態を応用するととても効率的にこなせます。

 

長くなってしまったので、次回はこの点についてもう少し掘り下げて書いていきます。