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目指しているのは、法律事務所版「いきなりステーキ」

マーケティング・ブランディングは難しい

独立してひと段落、とまではいきませんが、それなりに電話やメールが入ってくるようになり、自分なりに良かったところ、悪かったところも見えてきたので、今日はその点について書いていきたいと思います。

で、マーケティング、と一口に言いますが、一般的にマーケティングというと、「市場分析」、つまりお客様分析と同義に語られることが多いように思います。

しかし、自分の場合はまだその前段階、つまり「自社の強み・弱み」の分析、自社の商品の作りこみの段階という気がします。

結局お前のところは何ができるの?

いくら市場のニーズを分析して、最近はこういう相談が多い、みたいなことが分かったとしても、東京に法律事務所なんて腐るほどあるわけです。「で、おたくのところは何が出来るの?」「ちゃんとやれるの?」「他よりサービスいいの」「他より安いの?」潜在顧客からすれば本音のところはそこが気になるわけです。いくら口で「誠心誠意」とか「顧客第一」とか言っても全然説得力ないわけで。

これだけたくさん法律事務所があるわけですから、他の事務所より優れているとか、他の事務所はやらない/できないことをやっているとかでないと、存在意義がないわけです。

今のところ、事務所の重点案件は絞り込んでいますし、事務所名やブランドづくりにおいて考えているところもあるのですが、それはまた別の機会に書くとして。

自分が目指すサービスのイメージは「原価率が高めのビジネス」「横展開できる仕組みの確立できたビジネス」です。

原価率高めのビジネスとは何か

まず、ここから説明いたしますが、最近の飲食で言うと、俺のフレンチ・イタリアンとか、いきなりステーキがシンボリックな成功例です。

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原価率90%、というと、例えば1万円払ったときに、料理そのものの価値が9000円ということです。この記事によると、一般的な飲食の原価率は30%らしいので、そこからするとセオリー無視の奇策のように思えます。

しかし、お客様は食事をしに来ているわけですから、食事がおいしいことが何よりのサービスです。通常の原価率であれば3万円近い料理が1万円で食べられるわけですから、顧客満足度は高くなってきます。俺のフレンチの今の成功を見ていると、奇策でも何でもなく、正道のようにも思えます。

しかし、一般的には、飲食で原価率が高いというのはとてもリスキーな戦略と考えられていたわけです。典型的な例が、マクドナルドです。マクドナルドは、とにかく出店する場所にこだわります。もちろん商品開発にも力を入れていますが、同社がフランチャイズ化する中で最もこだわっていたのは立地です。とにかく、「不動産屋か?」というくらい一等地の一番良い場所を押さえます。

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ロバート・キヨサキ氏はこれを「僻地でアイスクリームを売っても誰も食べにこない」と表現しています。それがどんなに美味しくても、わざわざアイスクリームを買いに車で1時間とかは「ない」わけです。

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俺のフレンチは、原価以外のコストを圧縮するために、回転率を上げるという戦略を取りました。それ以外にも工夫はあるのですが、とにかく重要なことは、工夫して原価率を上げることにより差別化に成功できたということです。

法律事務所で「高い原価率」とは

これを法律事務所に当てはめてみると、法律事務所には原価らしい原価がありません。しいていえば弁護士の給料が原価で、あとは家賃光熱費事務員さんの人件費あたりが販管費となってきます。あと、重要なものとして広告宣伝費。

この点で典型的な「原価率の低い法律事務所」が、最近話題になってしまったアディーレ法律事務所です。アディーレの弁護士は主要メンバー以外はほとんど登録して間もない弁護士で、人数は多いですが、いわゆる四大、五大ローファームのように厳選した求人をしているわけでもなければ、内部で厳しい競争をさせているわけでもありません。

今更アディーレを悪く言っても仕方ないですが、アディーレがうまくいったのは、事件の絞り込みと、広告です。自分も前にいた法律事務所で債務整理系の広告費(テレビ、新聞、雑誌、中刷り)を目にしたことがありますが、売上の5割から7割近くが広告費です。つまりお客様が20万円を法律事務所に払ったとしたら、10~14万円は広告費でそのまま消えてしまう、ということになります(この辺は出稿の多寡によってかなり変わってきますが)。このような商売のやり方だと、市場規模を拡大していけば売り上げは比例して上がっていきますが、利益を弁護士のスキルアップにつなげて更に顧客満足度を上げていく、という方向での再投資がしづらく(次の集客のためにまた広告費を使わなければいけないため)、名前は売れているけれども、いまいち事務所のレピュテーションが上がらないという悪循環になってしまいます。

自分が目指すもの

自分が目指すのは、顧客が払う弁護士費用のほとんどが弁護士の給与や福利厚生につながるようなモデルです。値段に見合った仕事をすることによって、顧客満足を高めることができ、弁護士も安定して自分のスキルアップに時間やお金が使えます。

ただ、そうするとどうやって集客するの?、広告費とかの必要なコストはどう捻出するの?という疑問が湧いてきます。

今自分が試行錯誤しているのはそこの部分です。一つ一つのコストについて、これって本当にいるの?ということを検証したり、マーケット側から(とりあえずコストは考えずに)いくらが妥当な値付けなのかを探ってみたり、あとは重要な部分として法律事務のフローを洗練させていったりと。

そして、ある程度属人のスキルを離れたブランドを作っていくことも重要なのではないかと考えています。逆に言うとそれがなければいくらサービスを磨いたり、リーズナブルな料金設定をしても集客は全くできないわけで。

ちょっと書いていたら長くなってきたので、今日はこの辺で。